
ヌトミック × 2.5 architects『しらふの地先へ』
舞台は、かつて「青海三丁目地先」と呼ばれていたゴミの最終処分場であり、東京湾のど真ん中に浮かぶ3km四方の巨大な人工島。物流に使われる大量のコンテナ、海へと続く2kmの真っ直ぐな道、様々な廃棄物処理施設、そして東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で使用された海の森水上競技場などが、島の風景として存在します。
東京にありながらも私たちの日常から隔てられた広大な埋立地で、野外劇と地先踏査のためのドライブツアーを実施します。作曲するかのように演劇を創作する独自の音楽劇で注目を集め、近年はマルチチャンネルスピーカーを用いた作品や、第66回岸田國士戯曲賞へのノミネートでも知られる演劇カンパニーのヌトミック。そして、建築の視点に立脚しつつもその領域に留まらない活動を展開する建築ユニットの2.5 architectsが、演劇/音楽/建築を横断しながら埋立地の新たな歴史を共に模索します。野外劇を上演した場所がツアーで探索され、ツアーで訪れた場所が野外劇の場となり、相互に補完し合う両プログラムに参加することで、より一層企画をお楽しみいただけます。
2つのプログラムに共通するのは「生まれたばかりの東京」に対する新たな視座の開拓です。断続的に開発が続くこの島は、これからの東京の歴史が紡がれていく場所でもあります。本来は想定されていなかった場所の使い方を提案することは、島が歩み始めた歴史の「裏道」を発生させることにつながるかもしれません。
東京であり、東京のようではない人工島。一方で、ここはゴミの最終処分場として私たちの生活と確かに繋がっている。「未知の土地」と思われる場所は、いつ「私たちの土地」に変化するのでしょうか。その歴史の一部分を、ヌトミックと2.5 architectsと共に体験します。
会期:2024年3月1日(金)〜3月10日(日)
会場:海の森水上競技場 付近(東京都江東区) ※各プログラムの集合・解散場所は異なります。
[野外劇]
あの島に、いくつかの時間と想いが交差する。
東京テレポート駅にやってきた一台のバスに乗り込む。私たちは青海三丁目地先にたどり着く。そうして、どこかの場所まで、ただ、歩き続ける。ここには、ただ、海を眺める人がいる。ただ、遠くに向かって叫ぶ人がいる。颯爽と自転車が走る。バリトンサックスが鳴っている。橋の下では未来のクラブミュージックが流れている。
5人の出演者+aと共に描かれる、今、ここ、21世紀のツアー型野外劇。
構成・演出・テキスト・音楽:額田大志
空間構成:2.5 architects(森藤文華+葛沁芸)
出演:長沼航(俳優)、額田大志(作曲家・演出家)、原田つむぎ(俳優)、本藤美咲(音楽家)、光岡幸一(美術家)
振付:アグネス吉井
舞台美術:渡邊織音
舞台監督:中西隆雄
演出助手:清家愛
日程
2024年3月3日(日)・8日(金)〜10日(日)
3月3日(日) 15:00
・
3月8日(金) 11:30 / 15:00
3月9日(土) 11:30 / 15:00
3月10日(日) 11:30 / 15:00
集合場所:東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」駅前ロータリー
・所要時間は、駅からの移動を含め90分程度を予定。道路交通状況により前後する可能性がございます。
・雨天決行、荒天中止。雨具や防寒具等は、各自のご判断でご用意のうえご来場ください。
[地先踏査のためのドライブツアー]
2019年の夏にふと東京湾の中央に見慣れない巨大な人工島を見つけた時から、2.5 architectsのリサーチは始まりました。かつて「青海三丁目地先」と呼ばれていたこの最新の埋立地には、東京五輪の会場として使用された海の森水上競技場ができた今も、車でしか上陸することができません。
このツアーでは、2.5 architectsのメンバーが案内人となって、繰り返し訪れる中で見つけたとっておきの場所にお連れいたします。
天候や時間によって変化する風景を体験するために、昼のツアーと夜のツアーは異なるルートを巡ります。
日常から隔てられたこの人工島では、目を閉じて海風を感じたり、飛び交う飛行機の音を聴いたり、他にも様々なことが体験できるかもしれません。探索をする中で、この島の歴史が感じられる、土地の記憶の破片がどこかに落ちているのを発見するかもしれません。
少人数でのささやかなドライブ時間の中で、五感を通じて土地を理解する、少し特別な体験が待っていることでしょう。
訪れた人々の思いや感覚が土地に宿る記憶となり、生まれたばかりの埋立地の新たな歴史となることを期待しています。
案内人: 2.5 architects(森藤文華+葛沁芸)
音:額田大志
日程
2024年3月1日(金)〜10日(日)
3月1日(金) 夜17:00
3月2日(土) 昼13:00 / 夜17:00
3月3日(日) 昼10:30 / 昼13:00 / 夜17:00
3月4日(月) 昼13:00 / 夜19:30
3月5日(火) 昼13:00 / 夜19:30
・
3月7日(木) 昼13:00 / 夜19:30
3月8日(金) 昼10:30 / 昼13:00 / 夜17:00
3月9日(土) 昼10:30 / 昼13:00 / 夜17:00 / 夜19:30
3月10日(日) 昼10:30 / 昼13:00 / 夜17:00 / 夜19:30
集合場所:東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」駅前ロータリー
・昼・夜によってツアーコースが異なります。
・所要時間は、駅からの移動を含め90分程度を予定。道路交通状況により前後する可能性がございます。
・雨天決行、荒天中止。雨具や防寒具等は、各自のご判断でご用意のうえご来場ください。
チケット
2024年1月20日(土)10:00発売
プログラムごとに販売ページが異なります。
各販売ページにて集合場所の詳細ご留意事項を必ずお読みになってからご購入ください。
[野外劇]
一般 4,500円 / U-25 3,000円 →販売ページはこちら
[地先踏査のためのドライブツアー]
一般 2,500円 / U-25 1,500円 →販売ページはこちら
[両プログラムセット券・数量限定]
一般 6,500円 / U-25 4,000円 →販売ページはこちら
・当日各500円増
・U-25は当日要証明書
・未就学児をお連れの方は事前にお問い合わせください
・車椅子でご来場のお客様は事前にお問い合わせください
お問合せ
nuthmique@gmail.com
050-5435-3392(11:00〜19:00)
メッセージ
東京出身、東京育ちの自分が「青海三丁目地先」に訪れたとき、東京とは思えない、その風景の魅力に惹かれました。本来なら、この場所にちょっかいを出すのは野暮かもしれない。ただ、まだ始まったばかりの東京が、これから変わって行く東京が、 もしかしたらありえるかもしれない可能性を、つまりはフィクションとしての未来をここでなら描けるかもしれない。そのフィクションは、上演をすることで現実になりえるかもしれない。現代にはない、音や言葉、記号、身体、多くのプロフェッショナルの力を合わせて、まだ「しらふ」の場所の物語を紡ぎ出し、遠い未来へ捧げる冒険に出発します。
- ヌトミック 主宰・額田大志
ふとしたきっかけで見つけた、東京湾に浮かぶ広大な人工島をリサーチし始めたのは2019年。この土地で発見したさまざまな場所や、通う中でもどんどん移り変わっていった風景の記憶を集め、また多様なアーティストをこの地に誘い込んで、この度、 ヌトミック×2.5 architects『しらふの地先へ』という公演の形を取って、作品を発表できることとなりました。
2.5 architectsは演劇の空間構成を行いつつ、補完するプログラムとして、島全体の背景を知ったり、場所により近づいて触れられる、地先踏査のためのツアーも行います。2024年、東京の最果ての地でお会いしましょう!
- 2.5 architects (森藤文華+葛沁芸)
ヌトミック × 2.5 architects『しらふの地先へ』
プロジェクトチーム:池田佳穂、葛沁芸、河野遥、森藤文華、額田大志、渡邊織音
宣伝美術:三ッ間菖子
制作:池田佳穂、河野遥
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]
主催・企画・製作:ヌトミック、2.5 architects
共催:海の森水上競技場マネジメント共同企業体
協力:みんなのひろば、散策者、東京デスロック、グループ・野原、株式会社モノファクトリー

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