蟲寺
最小限の宗教施設としての寺:「蟲寺」の計画である。「縮小の美学」を体現する人外の生命体である「虫」は、微視的世界を司る者として、ひとつの象徴的存在たり得るのではないかと考えた。
大地に蔓延る幾万もの虫たちの生命を集合体的に捉えて「蟲」と呼ぶこととする。「蟲寺」には蟲の微視的世界を四面の障子絵として表現した「蟲界曼荼羅」や、玉虫の標本を本尊とした「玉蟲厨子」等を設置し、最小限の宗教空間でありながらも、仏教の様々な儀式になぞらえた行事が行える「方丈」として計画する。会期中を通して行われる行事や、盂蘭盆会の頃に行われる特別行事を通じて、越後妻有を生きる「蟲」の世界を、来訪者が五感を通して様々な形で体験してもらう空間を提案する。
by fumika morito + shingei katsu.
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