紡ぎ歌 Yarn of the sounds
Installation for Trolls in the Park 2019
普段は意識することのない、公園に発生している微細な音を捕らえ、その軌跡を展示します。
さながら獲物を捕獲する蜘蛛のように張り巡らした糸。
そこに生じた空間の濃淡は、音の所在を密やかに教えてくれるでしょう。
初日のパフォーマンスでは、二人の針子が糸を紡ぐ様子をご覧いただけます。
photo by fumika morito.
Architectural firm founded by Fumika Morito and Shingei Katsu. Based in Tokyo, Japan.
自然のもつ造形や色彩を抽象化することで、この遊具をデザインしました。子供たちの空間認識能力や色彩感覚などの感性が豊かに育まれる余地をつくっています。
敷地の外からも良く見える、この柔らかな山は、一見本当に土を盛ってできた築山のように見えます。近づいてよく見ると人工物であることがわかってきます。本当に土じゃないのか触ってみたくなります。触ると、弾性のあるゴムの感触があり、踏んでみたくなります。なめらかな斜面を、登ってみたり駆け下りてみたりしたくなります。頂上から眺めると、まるで大人の目線の高さに駆け上がったかのような気持ちです。シンプルな形ですが、少しずつ、様々な遊びを誘発します。
黄土色の築山は目につきやすいと同時に、広い芝生広場や広場を彩る豊かな植栽とも調和したランドスケープとなっています。
My Gym公式サイト
https://www.mygym.jp/
text by shingei katsu + fumika morito.
photo by fumika morito.
水羽衣
「水」を表現する。瑞々しく、柔らかくときに硬質に、浮力を生じさせ、空気とも一体となる。
1つの色に染まらず、透明で、波打ちながら重なり合う。そんな「水」の様を、布を使って表す。
橋の下に今も昔も湛えられている「水」が未来をうつしゆくとき、どのような像を結ぶのだろうか。
水・布・雀色によって形作る、「水鏡」として時間をうつすのれんである。
素材:オーガンジー、染色生地
技法:プリーツ加工、ドレープ、ファゴディング
日本橋めぐるのれん展一次審査通過作品
image by fumika morito.
カスミソウとシャビーなグリーンを基調とし可憐な雰囲気にまとめました。
photos by fumika morito.
13篇の詩の一部を手に取って参加してくださった皆様、どうもありがとうございました。以下に全文を公開いたします。
—
「一双の物語」
聞いてほしいんだ
僕と僕の大切な人の事を
僕らは一つだった
僕は君で、君は僕だった
青い空と蒼い水
たゆたう中で境目を探した
それがはじまり
僕らは波の音が絶え間ない場所にいた
ここよりもずっと遠くにね
たくさんの息吹がまわりでひしめき合って荒々しくもにぎやかだった
あるとき、僕らを強く細く呼ぶ声が狭間から聞こえたんだ
「 」
その声をたどって、暗がりを進むように長い旅をした
声に近づく
だんだんまばゆくなる
ここだ、と君は言った
遅野井、とよばれたこの地には、人々が耕す田が幾重にも広がっていた
ああ、この為にここにたどり着いたのか
陽の輝く中、そう思った
守るべき場所があるのはよい
僕と君は語った
手を携えて、ゆっくり、ゆっくり、この地に水をたたえ、根をおろそう、と
多くの人がこの地に潤いを求めてやってきた
幾度となく僕は雨を降らせ、君は池を湧水で満たした
いろんな名で呼ばれた。
「 」「 」「 」
多くの時が流れた
いつからだろうか、薄い帳に閉ざされたように、君の声が少しずつ遠ざかっていったのは
つないでいたと思っていた手が交わらなくなったのは
いまや君を呼んでもかすかな気配
だから、伝えてほしいんだ
雨の日は君への音色なんだと
晴れの日は君とこの地へたどり着いた日を思っていると
閉ざされても、永にこの地を潤そう
そう、君は僕と一双のこの池の主なのだから
—
Instagram tag: #一双の物語
text and photo by fumika morito.
平泉の大工さんやクライアントと相談しながら作り上げた、築40年の木造家屋のリノベーション計画。
母屋にあるキッチンは、見せる収納を多く取り入れた、明るく開放的な料理作家の仕事場となった。キッチン天井の照明器具は一関の夜空に広がる星座を意識したデザインとし、遊び心も取り入れた。隣り合う食品庫にもシンクを設け、下ごしらえなどがしやすいようにしている。
浴室は底上げして入口部の段差を減らすとともに、冬でも暖かいように電気式床暖房を設置した。長年使用されていた檜葉の浴槽は鉋掛けして再利用している。
新旧が随所で交わるこの家にて、更なる年月が編まれることを願っている。
料理作家・豊村薫さんの『薫風農園』
https://kunpu-noen.com/
『ミセス』2019年7月号掲載
https://mrsplus.net/lifestyle/私の台所/
『天然生活』2019年11月号掲載
https://tennenseikatsu.jp/_ct/17303494
photo by fumika morito.
無限に広がる方眼紙のようなグリッド(格子)を思い思いの色に塗ってもらうことで、色の集合によってインスタレーション空間を作り上げるワークショップ。
建築体験の初源的要素である色彩と空間とに焦点を当てて、グリッド・ペイントを通じて建築空間を感じる感受性を養うことを目指した。
参加者は画材を使用して、配布された方眼用紙に自由に着彩。これらを列柱に貼ってゆくことで、グリッドの空間性と、人々の感性の多様性を可視化してゆく。
text by shingei katsu.
photo by fumika morito.
素材:アーティフィシャルフラワー
ご希望に沿ったテーマ・色調でのオーダーを承ります。
photo by fumika morito.
photos by fumika morito.
茶畑の形は、長い間人々が地形と寄り添いながら築いてきたと思わせる魅力がある。
その美しい茶畑の風景を、掛川市内北から南まで撮影して回り、絵巻物として編成。のれんのように駅前の施設に掲げた。
全長21.5mの大のれんの下を通り、茶畑を揺らす風を想起してほしい。
掛川駅前we+138にて期間限定展示
https://www.chaennale.jp
by fumika morito.
日本とフランスの友好160 周年を記念した、建築を通した文化交流プログラム。
両国から3組ずつの若手建築家が参加し、1組ずつペアを組んで、住宅デザインに向けた共同ワークショップを開催。その模様を随時公開しながら、異国間の共同デザインの可能性や、建築設計の面白さを展示空間に表現した。
本展では、模型やパネルの展示だけでなく、フランス現地で撮り下ろされた出展建築家の作品映像やインタビュー映像、さらに作品以外でそれぞれの思想的背景を表現するディスプレイ展示によって作家の特質を多彩に魅せた。
本展終了後には、ワークショップのペアごとに実際の日本の敷地・施主に対して住宅の設計案を提案し、来年の実現に向けて共同する。
http://www.adan.or.jp/news/event/2100
https://corporate.asj-net.com/culture/event20180804
森が家具になるまで
1本の杉の木が、伐採され、製材され、圧縮され家具となってゆく過程を、展示空間としてデザインしました。
1つ1つの什器は、圧縮率の異なる木材やまだ製材されていない丸太等を積み重ねています。杉の森が家具になるまでの間に経てきた様々な工程や、材料が圧縮される様を視覚的に表現しています。
製材の際に不要となる杉枝も利用し、エントランスや展示空間に活け、整然と並ぶ杉の森の象徴として生き返らせます。屋外のテラスにもベンチである什器を設置して、まちへ開放し、展示に興味を持ってもらうきっかけの場としました。
images and text by fumika morito + shingei katsu.
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